HubSpotの費用は、契約する製品とプラン、利用者の役割・人数、マーケティング対象の件数、機能の使用量によって変わります。法人の予算を決めるときは、製品利用料に、導入・移行と継続運用の費用を足すことが大切です。無料ツールで操作を試す段階と、複数部門で本運用する段階では、必要な契約も準備作業も異なります。

たとえば、後述するMarketing Hub Professionalの年額払い条件では、製品利用料は年間1,152,000円、公式導入支援を加えた初年度の小計は1,512,000円です。これは2026年10月27日確認の表示額に基づく税未算入の計算例で、追加利用分や外部への構築・運用依頼費、社内工数を含む総予算ではありません。

この記事では、料金を読むときの注意点から、増額要因、導入支援の分担、初年度と次年度を比べる見積もりの作り方まで整理します。自社に必要な範囲を決め、条件のそろった見積もりで判断するためにお役立てください。

HubSpotの費用はライセンス・導入・運用に分けて考える

ライセンスはHubSpot社へ継続支払い。導入・移行は一時、運用は継続の費用として、外注先への支払いと社内の工数負担を分ける。追加作業は契約条件を確認する。

最初に、ソフトウェアを使うための料金と、使える状態に整える作業の費用を分けましょう。料金ページにある月額表示だけでは、顧客データの整理や移行、社内研修、導入後の改善に必要な負担まで把握できません。

「HubSpotにいくら払うか」と「社外へ何を依頼し、社内で何時間使うか」を別々に書くと、予算の抜けを見つけやすくなります。製品利用料は継続費用、初期構築・移行は立ち上げ時の費用として整理し、継続支援や追加作業は契約内容に応じて分けます。

支払先と発生時期をそろえる

費用項目支払先・社内負担発生時期
製品利用料HubSpot社への利用料金契約に基づく継続費用
該当する公式導入支援HubSpot社への支援料金対象契約の導入時
外部への構築・移行依頼支援会社への作業費立ち上げ時。追加作業は別確認
継続的な運用支援支援会社への運用費支援を契約する期間
社内作業担当者の作業時間導入時と継続運用時

社内工数は外部への支払先ではなく、自社が確保する作業時間です。内製する場合はもちろん、支援会社へ依頼する場合も、項目の定義、移行データの確認、現場との合意形成は予算計画へ入れておきましょう。外注費を減らしても社内の作業時間が増えるなら、必要な担当者を確保できるかまで判断します。

始めたい業務によって見積もりの範囲が変わる

たとえば、営業部門の案件管理から始める場合は、案件の段階、入力項目、担当者、報告の方法を整理します。マーケティングから営業への引き継ぎまで対象にする場合は、それに加えて配信対象、引き渡す条件、引き継ぎ後の記録方法などの設計が必要になります。

この違いを決めずに「導入一式」の金額だけを比べると、必要な作業が含まれているか判断できません。費用項目ごとに、誰が何を担当するかを記録するところから始めてください。

製品とプランごとの料金・機能の違いを確認する

業務と製品を対応させ、集客・育成はMarketing Hub、営業はSales Hub、顧客対応はService Hub、制作・管理はContent Hub、同期・整理はData Hub、見積・請求はRevenue Hub。下段はMarketing Hubのプラン別機能例を示す。

製品選びは、今解決したい業務から進めます。集客・育成、営業、顧客対応、コンテンツの制作・管理、データの同期・整理、見積もり・請求のうち、今回の導入対象を明確にしてください。すべての製品を一括で契約することを前提にする必要はありません。

具体的なシート単価、公式導入支援の料金、Marketing Hub Professionalの確認済み年額払い条件は、以下のサービス情報で確認できます。シートの単価と、製品を契約するための最低総額を区別することが、料金の読み違いを防ぐポイントです。

HubSpot

HubSpotは、顧客情報を基盤にマーケティング、営業、カスタマーサービス、コンテンツ、データ管理、見積もり・請求などを支援するソフトウェアを提供しています。目的に応じた製品とエディションを選んで利用します。

費用は製品とエディション、必要なシート、マーケティングコンタクト、クレジットの使用量などで異なります。月額表示と契約期間・支払頻度を分けて確認し、期間や新規顧客向けのオファーは個別の適用条件を確認してください。製品利用料と、該当する公式導入支援、外部への構築・移行・運用依頼費は区別して見積もります。

通常シート体系の料金

2026年10月27日確認の公式製品・サービスカタログによる通常シート体系の月額単価(円・税別)は、コアシートがStarter 2,400円、Professional 6,000円、Enterprise 9,000円です。SalesシートとServiceシートは各Professional 12,000円・Enterprise 18,000円、RevenueシートはProfessional 11,400円・Enterprise 16,800円です。これは各シートの単価であり、製品契約の最低総額ではありません。専用シートにはコアアクセスも含まれるため人数を二重加算しません。複数エディションの混在契約や別の柔軟な料金体系には個別条件の確認が必要です。

クレジットによる追加料金

同カタログでは、追加クレジットの都度課金は1クレジット1.20円(10クレジット単位請求)、キャパシティーパックは1,000クレジットあたり1,200円(いずれも税別)。都度課金を有効にした場合とパック購入・自動アップグレードでは契約期間への影響が異なります。付与クレジットは製品ごとに合算せず、毎月リセットされ未使用分の繰越はありません。

公式導入支援の費用

同日取得のMarketing Hub料金ページには、Professionalの必須・一回限りの導入支援360,000円、Enterpriseは840,000円が月額表示に含まれないと記載されています。Sales HubはProfessional 180,000円、Enterprise 420,000円です。この導入支援料金の税・免除・適用契約は見積もりで別途確認してください。公式支援は初期設定の技術ガイダンスや戦略助言、移行・インポートのコンサルティング等を含み、構築・移行の実作業やパートナー支援の担当範囲は個別条件で確認します。

Marketing Hub Professionalの年額払い条件

2026年10月27日の公式JPY価格画面で、Professionalの「年額でのお支払い」が選択された状態の最低利用料金は月額換算96,000円でした。3件のコアシート、2,000マーケティングコンタクト、3,000 HubSpotクレジットを含み、必須・一回限りの導入支援360,000円はこの月額表示に含まれません。年額の製品利用料は1,152,000円です。

この価格画面では税の取扱いを確定できていないため、上記は税未算入の表示額ベースです。追加シート・追加コンタクト・追加クレジット、外部への構築・移行・継続運用費は別に見積もります。月払いへの切替条件は未確認であり、併記された106,800円を月払い確定額としては扱いません。新規顧客向けStarter特別価格を通常価格へ置き換えるものでもありません。

ItemContent

Service Name

HubSpot

プラン名より先に必要な機能を決める

無料・Starter・Professional・Enterpriseという名称だけで、自社に合うプランは決まりません。無料ツールは基本機能の試用に活用し、実運用に必要な機能と上限を照合します。無料で利用できても、データを整えたり運用ルールを決めたりする社内作業は必要です。

たとえばMarketing Hubで、簡単な自動化を使いたい場合、ソーシャルメディアを扱いたい場合、Eメールの承認を組み込みたい場合では、確認するエディションが変わります。図の機能例はMarketing Hubのもので、同じプラン名の他製品へそのまま当てはめることはできません。実際に行う処理を書き出し、その機能が含まれるかを確認しましょう。

月額表示・契約期間・支払頻度を分けて読む

年額払いの月額換算は、毎月その金額だけを払っていつでも終了できる契約を意味しません。契約が続く期間と、代金を支払う頻度を分けて確認する必要があります。月額換算では予算内でも、年単位の支払いに必要な資金を確保できるかは別の判断です。

新規顧客向けの特別オファーも、通常価格や更新後の金額として扱わないようにします。料金を社内資料へ転記するときは、適用する製品・プラン・人数・利用枠に加えて、通貨、確認日、税の扱い、契約期間と支払頻度を残してください。

料金を比べるときの判断軸

確認する軸選ぶときの判断
必要機能実際に行う業務が、その製品・プランで実行できるか
利用人数閲覧・編集・専門機能の利用を分け、必要シートを確認
含まれる利用枠コンタクトやクレジットが想定する使い方に足りるか
契約期間と支払頻度月額換算と支払総額を分け、更新条件も確認

シート・コンタクト・利用量で増える費用を見積もる

利用する役割からシートの種類と人数、配信対象からマーケティングコンタクト数、AI機能の実行からクレジット使用量を分けて確認する。

契約時の金額だけでなく、運用が広がったときに何が増えるかを確認します。人数、顧客データ、AI機能などの使用量は異なる課金対象です。すべてを「社員数×同じ単価」で計算すると、使わない専門機能を含めたり、必要な利用枠を見落としたりするおそれがあります。

利用者は人数と役割をセットで整理する

まず、閲覧する人、情報を編集する人、営業・顧客対応などの専門機能を使う人を分けます。そのうえで、契約に含まれるシートと追加が必要なシートを照合してください。通常のシート体系では、専用シートにコアアクセスが含まれるため、同じ人について機械的にコアシートを重ねて計上しないようにします。

複数のエディションを組み合わせる場合は、コアシートに適用される条件も確認が必要です。また、シートとクレジットを柔軟に組み合わせた別の料金体系には、通常シートの種類や条件をそのまま適用できません。自社の見積もりがどの体系に基づくかを先に確認しましょう。

顧客台帳の全件数と配信対象を混同しない

見積もりに向けて整理したいのは、保有する顧客データの総件数だけではありません。どの相手をマーケティング対象として扱うか、いつ対象が増えるかを分けて考えます。たとえば、展示会で得たデータをすべて直ちに配信対象へ入れる計画と、対象を確認してから段階的に施策へ使う計画では、必要な利用枠の見通しが異なります。

契約に含まれるマーケティングコンタクト数と、追加するときの単位・料金・反映時期を確認してください。対象から外せば直ちに請求が下がるとは限りません。変更できる時期や契約への反映条件は、公式の見積もりで確かめます。

クレジットは月ごとの使い方から考える

クレジットを使う機能は、何を何回実行するかまで見積もると整理できます。通常体系の付与クレジットは、製品ごとの数を単純に足せず、毎月リセットされ、未使用分を翌月へ繰り越せません。年間の使用量だけを平均するのでなく、集中的に処理する月があるかも確認しましょう。

都度課金とキャパシティーパック、自動アップグレードでは、増えた利用枠が続く期間の扱いが異なります。追加単価に加えて、増額がいつまで続くかを確認すると、翌月以降の予算も判断しやすくなります。

増額要因別に確認する条件

増額要因事前に整理する情報確認する条件
役割別シート誰が何を操作するか種類・含有数・追加時期
マーケティングコンタクト配信等の対象と増加予定含有枠・追加単位・反映時期
クレジット使用する機能と月別の実行量消費量・上限・追加方式と継続期間

オンボーディングと導入支援の費用を分ける

公式オンボーディングの初期設定への助言、構築・移行の実作業、社内の整理・教育を分け、必須条件と追加費用を見積書で確認する。

公式オンボーディングと、外部へ依頼する構築・移行の支援は、見積書で別の項目として確認します。共通サービス情報に記載したMarketing Hub・Sales Hubの対象プランでは、公式導入支援が必須・一回限りの料金として月額表示と分かれています。この条件をすべての製品や契約へ広げて判断しないでください。

公式支援には、初期設定に関する技術的なガイダンスや戦略面の助言、移行・インポートに関するコンサルティングなどがあります。ただし「導入支援」という名称だけでは、実際の設定やデータ加工を誰が担当するかまで決まりません。全契約で実作業を一切行わないと決めつけず、個別の支援範囲を確認します。

助言・実作業・社内準備を見積書へ対応させる

作業・支援担当範囲の確認事項
初期設定への助言相談内容、対応期間、自社が行う設定作業
移行・インポートの相談移行方法の助言と、データ加工・投入作業の担当
構築・移行の実作業設定対象、試験、照合、修正の範囲と成果物
社内データ整理項目の定義、重複の確認、移行結果の承認者
研修・運用引き継ぎ対象者、資料、実施方法、導入後の質問対応

たとえば「データ移行を支援する」と書かれていても、移行方法の相談までなのか、元データの加工、試験移行、結果の照合まで含むのかで、自社に残る作業は変わります。「重複を整理した顧客データを渡す」「試験移行の結果を確認する」といった受け渡し条件まで言葉にすると、役割が明確になります。

構築後に社内で運用する場合は、設定内容を理解する時間と、運用手順を引き継ぐ時間も必要です。研修を受ける対象者、使う資料、質問できる期間まで確認し、継続支援との重複や空白を防ぎましょう。

公式導入支援の免除や外部支援の最低料金を前提に予算を減らすことは避けてください。適用条件と担当範囲が確定してから総額へ反映すると、契約後の認識違いを抑えられます。支援会社の候補や特徴も比較したい場合は、次の記事で依頼先を検討できます。

関連記事:【2026年】 HubSpot導入・運用支援会社おすすめ20選をプロが徹底比較

初年度と次年度の総額を同じ条件で試算する

同じ条件で初年度の導入・利用料・運用と次年度の利用料・運用を比較する。社内工数は両年度に含め、追加費用は条件次第として別に確認する。

総額は、同じ契約範囲を基準にして年度ごとに計算します。初年度だけに必要な導入費を分け、製品利用料、継続支援、追加利用分、社内工数をそれぞれ整理すると、立ち上げ後も続く負担が分かります。

確認済みの年額払い条件を使った計算例

たとえば、共通サービス情報にあるMarketing Hub Professionalの年額払い条件を利用し、含まれる利用枠の範囲内で運用する場合を考えます。月額換算96,000円に12か月を掛けると、年間の製品利用料は1,152,000円です。ここへ公式導入支援360,000円を加えた初年度の小計は1,512,000円となります。

以下は2026年10月27日確認の表示額に基づく、税未算入の小計です。追加シート・追加コンタクト・追加クレジット、外部への構築・移行・継続運用費、社内工数は含めていません。次年度は同じ製品料金が続き、公式導入支援が再発生しない場合の計算であり、更新後の価格を保証するものではありません。

項目初年度次年度
製品利用料96,000円×12か月=1,152,000円同料金が続く場合:1,152,000円
公式導入支援360,000円再発生しない場合:計上なし
税未算入の小計1,512,000円1,152,000円

この小計を、そのまま「自社の導入総額」として稟議へ使わないことが大切です。必要な構築・移行や運用の担当範囲を決め、別途の見積もりと社内作業の予算を足して、自社の総予算へ仕上げます。

未確定の費用は記入欄を残して足す

金額が分からない項目は0円にせず、「見積待ち」「対象外」「社内対応」を分けて記録してください。社内対応にも作業時間が必要です。たとえば、データ整理に使う時間を各担当者へ確認し、作業時間×社内で決めた時間単価で負担を見積もる方法があります。これは社内の予算管理用の計算で、支援会社の料金ではありません。

加算する項目記入する内容
外部への初期構築・移行費依頼範囲と見積額、初年度に発生する作業
継続支援費月額または期間総額と、各年度の対象期間
追加利用分追加シート・コンタクト・クレジットの条件別見積もり
社内工数初期準備と月々の運用を分けた作業時間・社内の換算額
税・未確定項目税の扱いと確認先、見積待ちの項目・確認担当者

費用を抑える選び方と見積もりの確認事項

業務要件と見積書を照合し、今必要な範囲と後から広げる範囲を分け、契約更新や追加条件を確認する。

費用を抑えるには、今使う機能と、後から検討する機能を分けることから始めます。単に最も安いプランを選ぶのでなく、必要な業務を満たす契約と支援範囲を選ぶことが重要です。必要な設定や教育まで削ると、現場で運用するための作業が残ってしまいます。

確認の優先度を決めて契約範囲を絞る

優先度確認事項判断の目安
最優先必要な業務・機能と担当者今使うものを契約対象にする
高人数・対象データ・使用量含まれる枠と追加条件を照合
高導入・運用の役割分担社内工数と外部支援費を合わせる
中将来使いたい機能導入時期を分けて検討する

利用していないシートや機能、配信対象の扱いを定期的に見直すことも予算管理に役立ちます。ただし、不要と分かった時点ですぐに契約を縮小できるとは限りません。追加・削減が反映される時期、更新日、解約の申出期限などは、契約書と公式窓口で確認してください。

見積もりは条件と成果物をそろえて比較する

複数の見積もりを比べるときは、製品・プラン・利用人数・含まれる利用枠・契約期間・税の扱いをそろえます。外部支援については、構築範囲、移行対象、納品する資料、研修、継続運用、追加作業の条件を同じ項目で比べましょう。「一式」とだけある場合は内訳の説明を求め、安い・高いを判断する前に内容を確かめます。

導入後に評価する項目も、契約前に決めておくと判断がぶれません。入力が定着しているか、二重入力にかかる時間がどう変わったか、商談への引き継ぎで情報がそろうかなど、自社の課題に対応させます。導入前の状態と確認する時期を記録し、利用料だけでなく、運用にかかる時間も合わせて評価してください。

必要な支援だけを相談できるようにする

相談前に、解決したい業務、対象部門と人数、移行元、対象データ、利用開始の希望時期、社内で担当できる作業をまとめましょう。決まっていない項目は未定のままで構いません。「製品を選ぶところから相談したい」「設定作業を依頼したい」「運用を続ける体制を整えたい」と相談したい範囲を分けると、見積もりの前提を伝えやすくなります。

導入・運用の支援を相談したい場合は、HubSpot導入・運用支援のサービス内容を確認し、自社で担う作業と依頼したい作業を整理してください。